ヒトとモノの移動の効率化からスタートしたITSの研究・開発は、安全性の向上、環境負荷の低減、渋滞の緩和といった道路交通問題の解決に向けて着実に進化を遂げ、今、新しいステージに入ろうとしています。
移動に必要なエネルギーの効率的な管理、ネットワーク社会における新しいビジネス機会の創出、万が一の時に備えた迅速な復旧をめざす交通システムの実現など、ITSは、従来の交通システムの範疇にとどまらず、社会の情報システムとの連動性、地域との調和や相互活性など、より地域社会の発展に寄与することが求められ始めています。
　そのため、これまでのように国主導による開発・普及だけでなく、個々の地域が主体性を持ち、それぞれの特性や課題に合わせ、最適な解決モデルを導き出していくことがこれからのITSの大きな方向となりつつあります。また、大規模な設備に頼ることなく、既存の仕組みを生かしたアプローチも、地域連動をめざす今後のITSの開発・普及においては重要な視点となります。
　私たち柏ITS推進協議会は、先端技術により移動・交通情報を市民生活の中に循環させることで、市民と共に考え、共に解決に取り組む「柏ITSスマートシティ」の実現をめざしています。地域と共に成長する、それが私たちのめざすITSの姿です。

■ITSのステージ変化