Solution 9 市民との信頼を築く地域活動への取り組み

地域での丁寧な情報発信がヒトとマチと、共に成長するITSの決め手

 「ヒトとマチと、共に成長するITS」をめざす柏ITS推進協議会は、先端的な技術を駆使したITSの研究・開発と同じくらい、市民への理解促進や地域との連携促進に注力してきました。これまで説明した通り、あくまでもITSはツールであって、それを使いこなす市民の理解や関与が低ければ、予測していた効果をあげることはできません。そのためにも市民の気づきを高め、地域との連携を深めていくことが大切となります。
 しかし、そうした市民との信頼関係は決して一朝一夕に築けるものではありません。そのため、柏ITS推進協議会では構想段階から継続的にITSに関する情報発信を行うと同時に、社会実験などを通して市民のニーズを把握するとともに、市民参加を促進してきました。また、協議会としての活動と並行し、協議会の構成メンバーである加盟団体も日常的に地域内での取り組みや情報発信を積極的に行っています。柏ITSスマートシティの実現という大きなビジョンのもと、協議会としての啓蒙活動と加盟団体による個々の情報発信が複層的に行われることで、市民の理解が高まり、地域と一体となったITSの推進が可能となります。 こうした啓蒙活動は、私たちのめざす「ヒトとマチと、共に成長するITS」を実現するためにも不可欠なものだと考えます。

ITS月間 -商業施設と連携した市民向けの啓蒙活動”ITSかるた”で家族連れにもアピール-

 日頃の交通状況や柏ITSスマートシティの取り組みについて、いかに市民の興味を喚起していくのか…は、柏ITSスマートシティの実現にとって重要なポイントとなります。市民の理解と協力があってこそ、共に成長するITSが可能なのです。そのためにも日頃からの情報発信、啓蒙活動が大切だと考えています。
 そこで柏ITSスマートシティでは、ITS世界会議東京2013が開催される2013年10月を「ITS月間」と位置づけ、市内の3つの商業施設をはじめ、公共のスポーツ施設、商工会議所の協力のもと、柏ITSスマートシティの取り組みを分かりやすく発信していきます。「マルチ交通」や「オンデマンド交通」など、すでに柏市で社会実験が進んでいる交通システムや、「エコライド」や「ワイヤレス充電」といった新しい技術を”かるた風”のパネルで紹介するなど、家族連れにも関心を持ってもらえるよう工夫しています。そこで少しでも興味を持った人が社会実験に参加したり、10月25日(金)、26日に開催される「東京大学柏キャンパス一般公開」を訪れ、柏ITSスマートシティで取り組んでいる最先端の技術に触れてもらえることを期待しています。こうした定期的な啓蒙活動の積み重ねこそ、地域と共に成長していくITSに欠かせない取り組みだと考えています。

■ITS月間/かるた風パネル

■ITS月間・展示スケジュール

ららぽーと柏の葉:2013年9月26日(木) ~ 10月2日(水)
モラージュ柏:2013年10月3日 (木) ~ 10月9日(水)
イオンモール柏:2013年10月10日(木)~ 10月16日(水)
リフレッシュプラザ柏:2013年 10月17日(木)~ 10月25日(金)
柏商工会議所:2013年10月9日(水) ~ 10月23日(水)
東京大学柏キャンパス一般公開:2013年10月25日(金)、10月26日(土)

環境配慮型カー・バイクシェアリング -自然エネルギーを利用したナノテック株式会社の環境配慮型カー・バイクシェアリング-

 ナノテック株式会社は環境未来都市に選定されている柏市に本社を置く柏ITS推進協議会の監事会員企業です。
 弊社は、環境やエネルギー問題を意識して、2011年に柏ITSの実証実験プロジェクトを参考に、グループ会社内でもカー・バイクシェアリングの取り組みを始めました。利用する乗物は、プラグインハイブリッド(PHV)、電気自動車や電気バイク(EV)といった電気をエネルギー源とするエコカーを選択しています。
 弊社が取り組むカー・バイクシェアリングの特徴は、エコカーが使用する電力を太陽光と風力の自然エネルギーから得ている点です。従いまして、エコカーは環境に負担をかけることなく運転されることになります。この自然エネルギーを利用した発電システムは、弊社で設計組立したもので10KW級の発電能力を持ちます。
 エコカーの利用に際しては、近隣施設へ1人で移動する場合には、1人や2人乗りの小型のEVを利用しています。遠距離の移動やお客様の送迎などには、5人乗りのPHVを利用しています。この様に乗車人数と目的に合わせて利用するエコカーを選択し、無駄にエネルギーを消費しないように配慮しています。
 将来は弊社でも柏ITSが実証実験で進めているマルチ交通シェアリングシステムのような管理システムが構築され利用者が増えることを目指します。

■ナノテック(株)の取り組み

■今後の課題

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